真夜中の一室、そこは真っ暗だった。

普通に考えて別に変ではない、なぜなら夜だから。
けれど、彼女にとってはとてつもなく怖い夜.....深夜だったのである。
その彼女は押し入れの奥に身を潜め、息も殺し、ただただ怖さから恐怖から逃れたくて_____



【楽園の穴 ACT.1 静かな時-1-】




チュ、チュチュン。

鳥の鳴き声、朝を知らせる定番のあいさつだ。
とてもさわやかな朝の始まり始まり☆で始まらないのが現実である。
そして、彼女にとっても酷な日常の終わりとさらなる酷な日常の始まりだった。

「___。…。…・・・・。」









彼女の母親であろう女性がまだ幼い我が子を起こす。
その様は一見、一般家庭でありそうな様子である。
実際我が子が愛しくて愛しくて…という表情であるが、どこか違和感を感じる表情だった。

ちゃん起きて。」
「…………ま、マ?」

目を擦りながら名前を呼ばれて反射的に返事をするが、その瞳を母親に向けずに答えるのであった。
その様子に安堵したような母親の姿そして…、

「ねぇ、明日お出かけするから準備してね。だから今日、遊びに行ってはダメよ。」
「…?うん。」


明日出かけるからその準備が今日するのは分かるが、何故遊びに行ってはいけないのか…
そう思いつつも目を覚まし、朝食を食べ、身だしなみを整え
「旅行する」と言われたので大きなかばんをもって…と準備を始めた。
もちろん、自分の分だけ。まだ幼い少女にしてみればそれだけでも大変な仕事である。
廻りからみれば"偉いねー"と言われるが、彼女にとっては当たり前のことだった。
ある程度の身の回りのことは出来た。

それが、彼女の母親の仕付け。



「んっとぉ?………うん、おわった!」


ぴょん! とその場に立ちトテトテと台所に居るであろう母親の元へ走っていった______







!!」

耳元でたった一言発せられた声は名前の人物を飛び跳ねて起こしてしまったらしい
驚きと驚愕と…その他もろもろな表情にさせた。
と呼ばれた少女は左右を改めて見、安堵する。
そこには滅多に見れない笑みといっても"不気味な"がつく笑みをした
顔そっくりの少女と少年。「佐倉 蜜柑」と「安積 柚季」この2人には色々と助けてもらっている。

(……………あああああああ!!!!)


「み、みたな?!」

「「反応お・そ・す・ぎ。ですよ、お姉様?」」


2人より年上で……といってもそんなに変わらない。
むしろ彼女は2人の後ろに居るって感じである。
本人曰く、そのほうが安全。らしいのだけれど…

"お姉様"という単語はただ単にバカにしているだけである。

「##コレで何度目?!というよりいい加減にしてよ2人とも!」
「「これが止められないんだからしょうがない。お姉様、諦めて」」
「だっから、バカにするなってんでしょ!!」


普段…というよりこの2人の前だけ話す彼女は本当に無邪気で、怒りも笑顔も涙も見せる。
それが例え、どんな任務中であっても。3人いれば叶う者なし____




「ごめんな。けど…魘されてたんやけど、大丈夫?」

蜜柑。彼女も何かの理由でZに来たらしいけれどその理由は定かではなく・・・
3人の内それぞれが1つだけ明かしてない想いがあって、それが理由だと分かってくれているのか
それだけ聞く蜜柑にそっと頬えみを返して

「大丈夫。大丈夫だよ、蜜柑もそんな顔してるとどこぞの誰かにバレるよ。」
「?!な__っ、そんなヘマはしーへんもん!!」
「するね。」
「せーへん!!…というより、その棗に昨日喧嘩売ったって聞いたんやけど?」
「あー、あれね。」

我が認める者以外の者が、我が目の前を行く者がいれば容赦なく切る!!
が内心モットーだからね。

「態度がむかついたから、言ってやっただけ。あ、安心してむこうからの反撃はわたしには来ないから♪」
「………は?」

ニコリと上機嫌でそう言うと、柚季の顔に"面倒くせーな…"と書いてあったが蜜柑は意味が
さっぱり分かっていないのであった。



(あの日、あの時から…今日でちょうど○年か…。いつまであんな夢みなきゃならないのかな…。)



「そーれより、流架ぴょんが心配しとったけど。仲良くなったん?」
「へ…?」

…お前…」

蜜柑の唐突の一言での部屋に沈黙が走った。
その意味は…………




To be Continued

投稿者からのコメント

コンニチハ。

・・・・・たぶん、たぶんだんだんと長くなります。

しっかしタイトル長い;ACT1-1って…ね?
ACT3までですね、長くても…。3人で居ると暴走させちゃって危ない…。
流架でも委員長でもZ一員でも誰でも良いから早く止めさせないと…進まなくなる。
流れとして、ACT1-ヒロインの心を…ACT2-感情が…ACT3-×××。
かな〜♪(違/期待を持たせるな)では、皆様また、お会いできることを祈りつつ…

2005.11.14